サステナジー秘話。粘り腰編

中々落ちないから、面白い。


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はじめまして!閲覧有難うございます。
岩手県は紫波町で、熱供給事業のプロジェクトマネジメントを担当している中尾です。
このページでは、サステナジーでの仕事の醍醐味を様々な切り口からご紹介していきます。

私からは、簡単には進まない、だけれども面白い。
そんな仕事の一面をお伝えしてみたいと思います。

話を詰めていくと、徐々に現れる利害関係や付帯条件

地域での再生可能エネルギーや熱供給事業は、とかく入り口では受けがいいものです。
クリーンなエネルギーを地域で広めることができるわけですから。

しかし、実際にビジネスとして話を詰めていくと、
徐々に独特の利害関係の存在が浮き彫りになり、当初計画の見直しなども起こってきます。

つまり、なかなか想定通りに落ちていかないのです。
それが面白さでもあります。

私が携わっている紫波町のプロジェクトでご説明してみましょう。
このプロジェクトは、木質バイオマスによる地域熱供給事業ですが、
元々は町が検討していたプロジェクトで、検討段階からサステナジー
(関連会社である環境エネルギー普及、紫波グリーンエネルギー)が関わっていました。

そして事業を動かす段階になり、環境省の補助金を活用させていただくために民間の事業主体が必要となり、
紆余曲折を経て私達が事業主体として動かしていくことになりました。
(検討から関わって、お仕事をいただくことができたのですから、大変に嬉しい事です!)

私達自身の事業として取り組むにあたり、本プロジェクトを単なる熱供給ではなく、
熱電併給(発電をしながら熱供給をすること)の事業として再構築を行いました。
これにより採算性が向上し、これまで採算性が低くて熱供給対象にできなかった街区にも、
熱を送ることができるようになるからです。

しかし設計を進める中で、当初計画からの変更やそれに伴う幾つかの問題が発生し、
売電収入を目的とした大きな発電設備については計画から外さざるを得なくなりました。

さあどうするか。
熱供給事業だけで満足の行くプランに再度落とし込めるのか。
計画変更を採算面でどう吸収して事業を進めていくか。

町を始めとしたお客様の事情を考慮し、与えられた条件の中でベストを尽くさねばなりません。

勿論、当初計画があまりに変わってしまうと、事業本来の魅力や意義が失われてしまう場合もあり、
そうした課題についても、町側と十分に共有を図った上で、再スタートを切らねばなりません。

担当者としては、本当に悩みました。

撤退、の文字も頭をよぎる。しかし、「粘り腰」の姿勢を貫く

悶々とした時間もあり、正直に告白すれば、撤退、の文字が頭をよぎったこともありました。

ただ、サステナジー代表の山口は、こうした難局を迎えても、
ただの一度も折れることはありませんでした。

そのどっしりとした構えに引っ張られるように、僕自身も不退転の決意を固めることができました。

「粘り腰」――。
山口は、再生可能エネルギーのマネジメントに必要な姿勢として、良くその言葉を繰り返します。
この時も、そうでした。
 
まさに言い得て妙で、当初は「やろう!」「やろう!」と、
ステークホルダーすべてが意気軒昂に進めていても、
実際にプロジェクトが具体化してくると、思わぬ壁にぶつかるのです。

計画段階でそうしたリスクを徹底して排除するフローを構築していくのですが、
それでも、計画に変更を生じさせるような壁が出現します。
 
例えば紫波町で行っている木質バイオマスの事業自体、そもそも難易度の高い事業です。

事業を成立させるためのファクターは数多く、どんな燃料をどういう経路で仕入れ、
熱に変換する施設をどう手配し、生んだ熱をお客様にどれ位利用していただくか、
そしてこの事業を長期に渡り継続的に運営できるか、という点を一つ一つ成立させなければなりません。
勿論背面の万全のエンジニアリングは大前提です。

こうしたプロジェクトであるがゆえに、わずかな条件のズレにより、
当初見込んでいなかった変更点が出てきやすいという特徴があるのです。

そんな時、簡単に折れてしまっては、プロジェクトは実現しません。
まさに粘り腰、が必要な仕事なのです。
 
考えて考えて、行政担当者、金融機関、林業技術者、メーカー、工事会社、設備設計、
建築設計など色々な人の話を聞き、協力を得て、変更点を何とか吸収する形を模索していきます。

その過程では、これまで知らなかった意外な解決策や知識がどんどん明らかになり、
開眼していくような感覚が得られます。
(様々な関係者にヒアリングを行い開眼していく感覚は、事業の提案を行う初期段階などでも同じです。
プロジェクトマネジメントを行う上で、専門知識が豊富であるに越したことはありませんが、
こうしてヒアリングしながら深堀りしていけば良いのです。
積極的にそうしたアクションを起こせることが、より大切です)

そして新たな道が見えてくると――事業が良い方向にみるみる変わっていくのです。
紫波町の件では、役場新庁舎や住宅、民間複合施設への熱供給を中心に事業を組み立て直し、
プロジェクトは継続。発電も小規模ですが引き続き行えるようになりました。

2014年、完成の日を見た時は、本当にやっと出来たんだな、とほっとしました。
「粘り腰」を発揮して、良かった。そう思えた瞬間です。
 
ここで完成した施設は、今後30年間にわたり、紫波の森を豊かにしながら、
ここに住む人々の生活に欠かせない暖かさを提供し続けるのです。

事業を実現できたことで、さらなる地域循環が実現していく手応え。

簡単でなくて、少々のほろ苦さもあったけれど。

中々想定通りに落ちないからこそ、面白い。
サステナジーで、そんな仕事をしています。


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オーガルベースが最初のお客。エネルギーが利用され、熱供給プラントが役立っているのを見るとやはり嬉しい。プラントには自分の子供のような想いもあります


(紫波グリーンエネルギー(紫波町) 中尾敏夫)