紫波中央駅前エネルギーステーション事業紹介
1.概要
紫波中央駅前エネルギーステーション事業は、紫波グリーンエネルギーが岩手県紫波町で行っている地域熱供給事業であり、サステナジーは事業開発を担当した。JR東北本線紫波中央駅前のオガールエリアにて、紫波町庁舎、民間ホテル、民間保育園、住宅に対して、暖房、冷房、給湯の熱供給を行なっている。熱導管を地下に埋設して、温水や冷水を熱利用者に供給し、その熱料金を得る仕組みである。燃料として紫波町産の間伐材や松食い虫被害木から作られた木質チップを、紫波町から購入している。
2.特徴
民間企業が、公共施設、民間施設、住宅等の複合的な需要に対して木質バイオマスを使った地域熱供給を行うのは、日本初の取り組みである。
主熱源として岩手県産の木質ボイラーを使用している他、木質チップ代、地代、固定資産税等、毎年約1,000万円が地域の収入になっている。
3.資金調達
総事業費5億円の内、1/3を環境省の補助金でまかない、残りを盛岡信用金庫からの融資で賄っている。
4.事業のポイント
地域熱供給事業の成功のためには、まちづくりとの緊密な連携が必要不可欠である。本事業は、オガールエリアの開発を進める紫波町の強い協力、支援があってこそ実現できた。「建物の設計概要が決まらないと熱需要が決まらずに地中埋設配管の太さを決定できないが、道路整備のスケジュールは動かせない」などの状況が事業進行上で発生しうるため、関係各所の調整が重要である。紫波町では環境課が窓口となり、都市計画課、土木課、企画課、農林課などとの調整を引き受けてくださり、非常に緊密な連携を取ることができた。
5.事業関係図